"chicken"と"a chicken"はどう違うのか?なんで違うのか?

「冠詞のaなんておまけみたいなものでしょ?」

 

実はそうではないのです…というお話。

 

"chicken"と"a chicken"はどう違う?

「"chicken"は日本語でなーんだ?」と言われれば、「ニワトリ!」ですよね。

 

それでは"chicken""a chicken"はどう違うと思いますか?\デデン/

 

「えっ、冠詞のaがついてるついていないかだけでしょう、何か違うの?」と思われるでしょうか。

あるいは、「それ知ってる!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

"chicken"は鶏肉、"a chicken"は一羽のニワトリを指す

こちらが回答です。つまり、不定冠詞の"a"がついていない"chicken"はニワトリの「肉」を指すのに対し、"a chicken"は「ニワトリ一羽」まるごとを指します。

ですので、「昨日鶏肉を食べた」と言いたい時には

I ate chicken yesterday.

が正しい、ということになりますね。

I ate a chicken yesterday.

とすると、「ニワトリ一羽をまるごと平らげた」のような意味になってしまいます。

 

なんでそうなるの?

「"a"があるかないかで「鶏肉」か「ニワトリ」か意味が変わるのは分かったけど、じゃあなんでそうなるの?」

と思われることかと思います。これは英語での「ものの捉え方」に関わってくる問題です。

 

"a chicken"は「ニワトリ」という数えられる名詞、「可算名詞」として考えているのに対し、"chiken"は「鶏肉」という数えられない名詞、「不可算名詞」とみなしています。(「鶏肉」は不可算名詞なので不定冠詞aがつけられないわけです。)

 

ここで、かなりざっくりとした説明となりますが、名詞に不定冠詞のa/anをつけられるのは(すなわちある名詞を「可算名詞」として認識できるのは)、

 

「ある名詞を境界のあるものとして個別化できるとき」

 

と考えられます。これは「有界性(boundedness)」と呼ばれる概念です。

 

したがって、

"a chicken"は「ニワトリ一羽として個別化できる(有界性がある)→ニワトリそのもの」を指す

一方、

"chicken"は「ニワトリ一羽としての個別化できる形を失い、肉としての状態に変化したもの(有界性がない)→鶏肉」を指す

のです。

 

 

参考文献

『日本人の英語』

日本人の英語 (岩波新書)

日本人の英語 (岩波新書)

 

「"chicken"と"a chicken"はどう違うのか?」というのをご存知の方はこちらを読まれた方が多いのではないでしょうか。日本人が陥りがちな英語のミスをネイティブの観点からまとめています。「日本語」と「英語」の言葉の違いを、より深いところから認識する助けとなる非常に優れた良書です。 

 

 

『分かりやすい英語冠詞講義』

わかりやすい英語冠詞講義

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英語の冠詞について理解を深めるために役立つ一冊です。不定冠詞"a/an"、定冠詞"the"の用法の背後にはどのような認識があるのかが理論的に、かつ分かりやすく説明されています。